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ソーダ製品の説明

ソーダ製品の説明

ソーダ製品

原料

ソーダ工業にとって、塩と電気は必須の原料となります。

 現在、日本で消費される塩の内、実に7割近くが、ソーダ工業の原料として使用されています。
 平成29年度の国内の塩の消費は、全消費量8,160千tの内、ソーダ工業用として消費された量が6,168千tで全体の74%を占めます。
 次に、水産、醤油アミノ酸、調味料用等の食品工業用や融氷雪、一般工業、家畜、医薬用等として消費された量が2,073千tで全体の25%、  続いて家庭や飲食店等の生活用として消費された量が154千tで、全体のわずか2%となっています。
 一方、供給としては、国内で製造された塩は926千tで全体の11%、輸入された塩が7,234千tで89%になります。

電気

 平成29年度の電解ソーダ工業の電力消費量は、約95億kWhとなっています。
 また、ソーダ製品の電力原単位(製品を作る為に必要な電力)は高く、アルミニウム程ではありませんが、カーバイド、フェロアロイに次いでいます。

ソーダ製品

か性ソーダと塩素

か性ソーダ NaOH

 「か性ソーダ」というのは一般名で、化学名は「水酸化ナトリウム(NaOH)」といい、その水溶液は強いアルカリ性を示す、代表的な強アルカリ物質です。
 か性ソーダは、この強アルカリ性という化学的性質を利用して、様々な酸と反応(中和)させたり、普通では溶けない物質を溶解させたり、他の金属元素や化合物と反応させたりして、別の化学合成物質や化学薬品を作り出すのに使われています。
 例えば、産業用、生活用物質を製造する上で必要な化学的処理において、金属の溶解、精製、不純物の除去、漂白、中和、軟化等のための基礎素材として用いられています。
 か性ソーダは、アルミニウムや化学繊維、石けん・洗剤の原料として使用されたり、パルプの溶解や漂白、また、さまざまな工業製品の製造に使われています。さらに、上下水道や各種産業の排水処理、還元剤として使用されるなど、非常に幅広い分野で使われています。
 か性ソーダそのものが最終製品に直接含まれている例は多くありませんが、中間原料となる各種の化学薬品や様々な物質の製造に使われたり、様々な産業・生活用の最終製品の製造に使われています。
 このように、か性ソーダは、非常に幅広い産業分野において基礎素材として使われているため、国民生活に欠かせない物質といわれているわけです。
 なお、製品としては、多くが濃度50%の水溶液(液体か性ソーダ)として出荷されます。また、一部に、濃度が96%以上の「固形か性ソーダ」として、フレーク状や粒状、固形の製品もあります。

塩 素 Cl2

 塩素は、地球上にある約100種の元素のうちの一つで、空気より重く、黄緑色で刺激臭のある気体元素(Cl2)です。また、フッ素、臭素、ヨウ素と同じ非金属のハロゲン元素で、全元素中11番目に多い元素です。塩素は、化学的反応性が強く、他の元素とたやすく結びつく性質を持つため、天然には単体として存在せず、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、塩化カルシウム等として海水や岩塩の中に存在します。
 実験室的には、二酸化マンガンに濃塩酸を作用させると塩素ガスが発生しますが、工業的には、多くが、電解ソーダ工業で製造されます。
 塩素は、他の元素とよく化合するという反応性を利用して、反応剤として多くの化学製品の原材料として使われます。さらに、強力な酸化作用や植物性の色素を褪色する作用を利用して、殺菌剤や漂白剤として使われています。
 特に、水道水の殺菌用として、世界で100年以上も使用されています。
 また、塩素は、塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂、合成ゴムなどの製品の製造や各種の溶剤の製造に使われています。さらに、塩素は、水道水の殺菌、医薬品の製造に使われているため、日常生活に欠かせない物質で、人々の暮らしと安全を守っています。

塩化物

 電解ソーダ工業では、か性ソーダと共に塩素が一定比率で発生しますが、か性ソーダが液状で出てくるのに対して、塩素はガス状で出てきます。この発生した塩素ガスは、約75%がそのままパイプ移送されて、塩化ビニルや溶剤等の塩素系製品の製造に消費され、残りの約25%が、塩化物と呼ばれる「液体塩素」「塩酸」「次亜塩素酸ソーダ」「高度さらし粉」の製造に使われます。ガス状での商品取引は希ですので、塩素ガスそのものが市場に出ることはほとんどありません。

液体塩素 Cl2

 塩素ガスを冷却・圧縮させて液体化したもので、塩素そのものとして製品化したものです。従って、塩素100%となります。タンク車、タンクローリー、ボンベなどで運ばれて市販されます。
 塩化物の中では、塩素ガスの消費が一番多く、全体の約13%になります。用途は、有機化合物・無機薬品の製造や紙・パルプ、上下水道等、広い分野に亘っています。

塩酸 HCl

 製品としては、塩素分が35%のものが多く、生産量としては、平成29年度実績で、合成塩酸80万tに対して副生塩酸116万tと、副生塩酸の方が多くなっています。

次亜塩素酸ソーダ NaClO

 化学名は次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と言い、か性ソーダ水溶液に塩素ガスを吸収させて製造します。製品としては、有効塩素が12%の液体で、製品中の食塩含有量が10~12%の一般品と、4%以下の低食塩品の2種類があります。
 用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、パルプの漂白、食品工業、水処理、廃水処理等、塩酸同様、非常に幅広い分野に亘っています。

高度さらし粉 Ca(ClO)2

 化学名は次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)2)と言い、石灰乳に塩素を反応させてできる次亜塩素酸石灰の結晶をろ過し、乾燥させて製造します。製品としては、有効塩素が70%以上と60%以上の2種類があります。
 主に水の殺菌・消毒用に使われ、用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、食品工業、水処理・廃水処理等となっています。

ソーダ灰 Na2CO3

 ソーダ灰(一般名としての呼び名)は、炭酸ナトリウムまたは炭酸ソーダといわれるアルカリ性化学物質のことです。か性ソーダと同様、水溶液は強いアルカリ性を示しますが、アルカリ度や反応性は、か性ソーダよりも穏やかであり、このため、か性ソーダとはまた違った用途に使われています。
 製品は白色の粉末か塊状で、比重の軽い「軽灰」と比重の重い「重灰」の2種類があり、用途によって使い分けをされていますが、わが国ではほとんどが重灰となっています。
 ソーダ灰は、その半分以上が板ガラスや様々なガラス製品などガラスの製造原料として使用され、ケイ砂や石灰石と同様に、ガラスの主原料となっています。
 また、ソーダ灰は、ケイ酸ソーダ、重クロム酸ソーダ等の無機薬品や油脂製品などを製造するのに使われています。
 さらに、これら中間製品が顔料、医薬、合成洗剤、接着剤、土壌強化剤、皮革、めっき用などに使われるため、ソーダ灰は、か性ソーダ同様、様々な産業活動と幅広く結びつき、私達の身近な製品の製造に深く関わっています。

水素 H2

 水素(H2)は、無色、無臭の気体で、最も軽いガスです。
 電解ソーダ工業では、水素が、か性ソーダと塩素と共に、一定の比率で発生します。
 質量比で、か性ソーダ1に対して、0.025の割合で水素が発生します。平成29年1年間での水素の発生量は、およそ10億Nm3となっています。
 製品としての水素は、電解槽から発生した水素ガスを、洗浄・冷却して、ガスの状態で、パイプで送って、他の水素利用の製造工程で使用される他は、同じく、洗浄・冷却した後に、圧縮して圧縮水素として、ボンベに詰めて出荷されています。
 最近では、液化水素として出荷されているものもあります。

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