塩素の需要構成

注1)
回収塩素(副生塩酸等)、塩素誘導品の輸入を含む、平成25年度実績。
注2)
需要項目の紙・パルプ、染料・中間物、無機薬品については、平成14年度1月に実施された化学工業統計の一部調査項目の廃止(調査票の改正)により、数量の把握ができなくなったため、その他に含まれる。
注3)
略語の説明
  • P O : プロピレンオキサイド(酸化プロピレン)
  • TDI : トリレンジイソシアネート
  • MDI : ジフェニルメタンジイソシアネート
  • PPG : ポリプロピレングリコール
  • P G : プロピレングリコール

 塩素需要の特徴は、約36%が塩化ビニル樹脂で使用されることです。プラスチックのひとつである塩化ビニル樹脂は、エチレンと塩素を反応させて生成した二塩化エチレン(EDC)を熱分解し、塩化ビニルモノマー(VCM)を製造し、さらにVCMを重合して作られます。
 塩素系溶剤にはパークロロエチレン、トリクロロエチレンなどがあり、主に金属加工部品の脱脂洗浄に使われます。
 クロロメタンは塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルムの総称で金属洗浄に用いられたり、シリコーン樹脂の原料として使われます。
 POは、ウレタン樹脂の原料であるPPGや不飽和ポリエステル樹脂の原料となるPGの製造時に使用されます。
 TDI・MDIは、軟質ウレタン樹脂の原料であるTDIや硬質ウレタン樹脂の原料であるMDIの製造の際に使用されるものです。
 その他部門は、エポキシ樹脂の原料であるアリルクロライド、エピクロロヒドリンの製造や、電解ソーダでの原料塩の精製、合成ゴムであるクロロプレンの製造、鉄鋼の酸洗い、上下水道の殺菌などに使われているものです。
 また、この中には、紙・パルプや次亜塩素酸ソーダの製造に使用されるものも含みます。紙・パルプの製造では、塩素は、か性ソーダ等で溶解した後、分離した繊維素の漂白に使われます。

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