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| 塩 |
| 日本で消費される塩の内、実に8割近くが、ソーダ工業の原料として使用されています。平成19年度の国内の塩の消費ですが、消費量913万9千tの内、ソーダ工業用として消費された量が721万9千tで全体の79%を占めます。次に、水産、醤油アミノ酸、調味料用等の食品工業用や融氷雪、一般工業、家畜、医薬用等として消費された量が171万2千tで全体の19%、続いて家庭や飲食店等の生活用として消費された量が19万6千tで、全体のわずか2%となっています。 一方、供給としては、国内で製造された塩は123万8千tで全体の12%、輸入された塩が800万1千tで88%になります。国内で製造される塩は、ほとんどが、海水をイオン交換膜で濃縮して、蒸発、結晶させたものです。これに対して、輸入された塩は、そのほとんどが、天日塩と呼ばれるもので、海水を汲み上げ、塩田で自然の力で濃縮、結晶させたものです。この他に、地中の岩塩層から掘り出し、精製したものもありますが、わが国ではわずかしかありません。 ソーダ工業用の塩は、塩田で作られる天日塩で、メキシコ、オーストラリア、インド、中国の塩田から輸入された塩です。海外では、岩塩層から溶けだした地下かん水(塩水)を利用するところがあります。 |
| 電気 |
| 電解ソーダ工業では、塩を水に溶かした塩水を電気分解して、か性ソーダ、塩素、水素を製造するものですが、電気は、塩と共に、電解ソーダ工業の原料となります。電気なしに電気分解は起こりませんし、電気分解に使用された電気エネルギーは、製品中に化学エネルギーとして保存されることになり、電解ソーダ工業にとって、電気は、他のものに置き換えることのできない、必須の原料ということになります。 平成19年度の電解ソーダ工業の電力消費量は、約110億kWhで、産業用電力消費量の約3%、化学工業全体の約17%を占める量となっています。また、ソーダ製品の電力単位は高く、アルミニウム程ではありませんが、カーバイド、フェロアロイに次いでいます。 しかし、わが国の電解ソーダ工業の省エネ技術は世界で最も進んでおり、電解電力の原単位は世界最高の水準となっています。電力原単位は、過去30年間で約30%の削減が図られ、この10年間でも2.4%以上も向上しています。現在業界では、更なる省エネルギー技術を実用化するため、研究開発に取り組んでいます。省エネ化を始めとする地球温暖化対策には、積極的に取り組んでいます。 |
| ■ 塩化物 |
| 電解ソーダ工業では、か性ソーダと共に塩素が一定比率で発生しますが、か性ソーダが液状で出てくるのに対して、塩素はガス状で出てきます。この発生した塩素ガスは、約7割がそのままパイプ移送されて、塩化ビニルや溶剤等の塩素系製品の製造に消費され、残りの約3割が、塩化物と呼ばれる「液体塩素」「塩酸」「次亜塩素酸ソーダ」「高度さらし粉」の製造に使われます。ガス状での商品取引は希ですので、塩素ガスそのものが市場に出ることはほとんどありません。 |
| 液体塩素 Cl2 |
| 塩素ガスを冷却・圧縮させて液体化したもので、塩素そのものとして製品化したものです。従って、塩素100%となります。タンク車、タンクローリー、ボンベなどで運ばれて市販されます。 塩化物の中では、塩素ガスの消費が一番多く、全体の2割弱になります。用途は、有機化合物・無機薬品の製造や紙・パルプ、上下水道等、広い分野に亘っています。 |
| 塩酸 HCl |
| 塩素と水素を化合させて塩化水素をつくり、これを水で吸収して水溶液にしたのが塩酸ですが、工業製品としての塩酸には、水素と塩酸を直接反応させて製造する合成塩酸と、主に塩素系誘導品の製造工程で発生する副生塩酸があります。製品としては、塩素分が35%のものが多く、生産量としては、平成19年度実績で、合成塩酸78.5万tに対して副生塩酸160万tと、副生塩酸の方が多くなっています。 用途は、無機薬品を始めとする各種工業薬品の製造、電機・電子工業、食品工業、鉄鋼等、非常に多岐に亘っています。 |
| 次亜塩素酸ソーダ NaClO |
| 化学名は次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と言い、か性ソーダ水溶液に塩素ガスを吸収させて製造します。製品としては、有効塩素が12%の液体で、製品中の食塩含有量が10〜12%の一般品と、4%以下の低食塩品の2種類があります。 用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、パルプの漂白、食品工業、水処理、廃水処理等、塩酸同様、非常に幅広い分野に亘っています。 |
| 高度さらし粉 Ca(ClO)2 |
| 化学名は次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)2)と言い、石灰乳に塩素を反応させてできる次亜塩素酸石灰の結晶をろ過し、乾燥させて製造します。製品としては、有効塩素が70%以上と60%以上の2種類があります。 主に水の殺菌・消毒用に使われ、用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、食品工業、水処理・廃水処理等となっています。 |
| ■ ソーダ灰 Na2CO3 |
| ソーダ灰(一般名としての呼び名)は、炭酸ナトリウムまたは炭酸ソーダといわれるアルカリ性化学物質のことです。か性ソーダと同様、水溶液は強いアルカリ性を示しますが、アルカリ度や反応性は、か性ソーダよりも穏やかであり、このため、か性ソーダとはまた違った用途に使われています。 製品は白色の粉末か塊状で、比重の軽い「軽灰」と比重の重い「重灰」の2種類があり、用途によって使い分けをされていますが、わが国ではほとんどが重灰となっています。 ソーダ灰は、その半分以上が板ガラスや様々なガラス製品などガラスの製造原料として使用され、ケイ砂や石灰石と同様に、ガラスの主原料となっています。 また、ソーダ灰は、ケイ酸ソーダ、重クロム酸ソーダ等の無機薬品や油脂製品などを製造するのに使われています。 さらに、これら中間製品が顔料、医薬、合成洗剤、接着剤、土壌強化剤、皮革、めっき用などに使われるため、ソーダ灰は、か性ソーダ同様、様々な産業活動と幅広く結びつき、私達の身近な製品の製造に深く関わっています。 |
| ■ 水素 H2 |
| 水素(H2)は、無色、無臭の気体で、最も軽いガスです。電解ソーダ工業では、水素が、か性ソーダと塩素と共に、一定の比率で発生します。質量比で、か性ソーダ1に対して、0.025の割合で水素が発生します。平成18年1年間での水素の発生量は、およそ12億Nm3となっています。 水素そのものは、石油や鉄鋼、石油化学工業での副産物として発生するのが多いのですが、電解ソーダ工業より発生する水素の量は、全体の5%弱程度と推定されています。 電解ソーダ工業からの発生する水素は、他のものと比べて純度が高いため、半導体の製造等に使用されていますが、他に、油脂工業、硝子工業、金属工業、化学工業向けに使用されています。また、燃料としても多く消費されています。 製品としての水素は、電解槽から発生した水素ガスを、洗浄・冷却して、ガスの状態で、パイプで送って、他の水素利用の製造工程で使用される他は、同じく、洗浄・冷却した後に、圧縮して圧縮水素として、ボンベに詰めて出荷されています。 |